山中忠七が、道を思う上から、ある時、教祖に、「道も高山につけば、一段と結構になりましょう。」と、申し上げた。すると、教祖は、
「上から道をつけては、下の者が寄りつけるか。下から道をつけたら、上の者も下の者も皆つきよいやろう。」
と、お説き聞かせになった。
【現代の言葉にする】
ある時、山中忠七さんが教祖に、「道が高い山の上までつながったら、もっと立派な道になりますね」と言いました。
すると、教祖はこう答えられました。
「上の方から道をつけたら、下にいる人はそこまで来られないでしょう? でも、下から道をつけていけば、上の人も下の人も、みんな通りやすくなるんやで。」
【ひとつずつ説明する】
「高山につけば結構です」とはどういうこと? → 忠七さんは、「高いところ、つまり立派な場所に道がつながれば、もっと素晴らしい道になる」と考えました。これは、「道(教え)がもっと上の立派な人や場所に通じるようになれば良い」と思ったということです。 教祖の「上からつけたら寄りつけん」とは? → 教祖は、「上から作った道では、下にいる人が登るのが大変で、来られない」と教えてくれました。つまり、「えらい人だけがわかる教えでは、みんなが近づけない」ということです。 「下から道をつけたら皆つきよい」とは? → 道を下の方、つまりわかりやすいところから作れば、上の人も下の人も、誰でも歩きやすくなる。これは、「どんな人にも分かる教えにすれば、皆がその教えに近づける」という意味です。
【ぜんぶまとめると】
このお話は、「教え(信仰)は、特別な人のためのものではなく、すべての人のためにある」ということを教えてくれます。
難しいことばかりを言って、高いところ(えらい人・頭のいい人)だけに伝わるようにしてしまったら、みんなはそこに行けなくなります。
でも、やさしくてわかりやすい言葉で、下の方(ふつうの人)から始めれば、誰でもその道を歩けるようになるんです。
【たいせつな教え(ポイント)】
信仰は誰のためのもの? → えらい人だけじゃなく、みんなのためのもの。どんな人もその道を歩けるようにしよう。 やさしい言葉、やさしい教えを大切に → むずかしいことばよりも、みんながわかる言葉で話そう。それが「道を下からつける」ということ。 自分が高いところに立とうとしないこと → 人の上に立とうとするより、下から支える心を持つことが大切。
この教えは、学校でも会社でも家庭でも、とても大切です。リーダーや先生になる人こそ「わかりやすく」「みんなが歩きやすい道」を作る人であるべき、ということですね。