一ッ ひとのこゝろといふものハ ちょとにわからんものなるぞ
二ッ ふしぎなたすけをしてゐれど あらはれでるのがいまはじめ
三ッ みづのなかなるこのどろう はやくいだしてもらひたい
四ッ よくにきりないどろみづや こゝろすみきれごくらくや
五ッ いつ/\までもこのことハ はなしのたねになるほどに
六ッ むごいことばをだしたるも はやくたすけをいそぐから
七ッ なんぎするのもこゝろから わがみうらみであるほどに
八ッ やまひはつらいものなれど もとをしりたるものハない
九ッ このたびまでハいちれつに やまひのもとハしれなんだ
十ド このたびあらはれた やまひのもとハこゝろから

【言葉の意味とやさしい説明】
- ちょとにわからん:かんたんにはわからない
- あらはれでる:はっきり見えてくること
- みづ・どろ:水と泥。ここでは「心」と「心のよごれ(よく・うらみなど)」のたとえ
- すみきる:心がきれいになること
- ごくらく:とても楽で幸せな心の状態
- たねになる:あとあとまで語りつがれるような大事な話になる
- むごいことば:きつい言葉、厳しい言葉
- なんぎ:苦しみやつらさ
- わがみうらみ:自分が誰かや何かをうらんでいる気持ち
- もと:原因や根本
- やまひ:病気のこと
【ひとつずつ説明する】
一ッ
ひとのこゝろといふものハ ちょとにわからんものなるぞ→ 人の心って、見た目だけではかんたんにわからないものなんだよ。
二ッ
ふしぎなたすけをしてゐれど あらはれでるのがいまはじめ→ 神さまは助けをしてきたけど、それがはっきり見えるようになったのは今がはじめてなんだ。
三ッ
みづのなかなるこのどろう はやくいだしてもらひたい→ 水の中の泥(心のよごれ)を早く取りのぞいて、きれいになってほしいと神さまは願ってるよ。
四ッ
よくにきりないどろみづや こゝろすみきれごくらくや→ よくばりな心は、泥の混ざった水みたい。でも心がきれいになると、とても楽でしあわせになるよ。
五ッ
いつ/\までもこのことハ はなしのたねになるほどに→ このことは、ずっとあとまで語りつがれるくらい大事な教えになるよ。
六ッ
むごいことばをだしたるも はやくたすけをいそぐから→ ちょっときついことを言うときもあるけど、それは早く助けたいからなんだよ。
七ッ
なんぎするのもこゝろから わがみうらみであるほどに→ 苦しみの原因も、実は自分の心の中のうらみやよごれが関係しているんだよ。
八ッ
やまひはつらいものなれど もとをしりたるものハない→ 病気はつらいけど、その原因が心にあるって気づいている人はなかなかいないよね。
九ッ
このたびまでハいちれつに やまひのもとハしれなんだ→ 今までは、みんな病気のほんとうの原因がわからなかったんだ。
十ド
このたびあらはれた やまひのもとハこゝろから→ でも今回はっきりわかったよ。病気のもとは「心」なんだって。
【ぜんぶまとめると】
人の心って、かんたんには見えないけど、心の中にある「よく」や「うらみ」などのよごれ(泥)が、実は病気や苦しみのもとになっているんだよ。神さまは、その泥をきれいにして、心をすっきりさせて、みんなが元気に幸せに生きられるように助けてくれてるんだ。ちょっときびしいことを言うこともあるけど、それは愛があって早く助けたいからなんだよ、という教えだよ。
【たいせつな教え(ポイント)】
- 人の心は見えにくいけれど、大事なもの
- 心のよごれ(よく・うらみ)が病気や苦しみの原因になる
- 神さまは心のよごれをきれいにしてくれる
- きつい言葉も、早く助けたいという神さまの思いから
- 病気のもとは「心」にあると気づくことが大事