明治七年頃、教祖は、よく、次のような歌を口ずさんでおられた、という。
「東山からお出やる月は
さんさ小車おすがよに
いよさの水車でドン、ドン、ドン」
節は、「高い山から」の節であった。
【現代の言葉にする】
明治七年ごろ、教祖さまはよく、次のような歌を口ずさんでおられたと伝えられています。
「東の山からお月さまが昇ってくるよ。
小さな車を押すような軽やかな動きで、
『いよさ』の水車が、ドンドンドンと回っているよ。」
この歌の節(メロディー)は、「高い山から」の歌に似た節で歌われていました。
【ひとつずつ説明】
「東山からお出やる月は」 東の山から月が昇る様子を、静かに見つめている言葉です。 → 東の空から月が明るく照らすように、神の光も人々を照らすという意味がこめられているとも考えられます。 「さんさ小車おすがよに」 「さんさ」は、踊りや歌のリズム、「小車」は小さな車=荷車のようなもので、それを押す軽やかで元気な様子。 → 楽しげに、力強く、前に進む姿をたとえています。 「いよさの水車でドン、ドン、ドン」 「いよさ」は「よいさ、よいさ」というかけ声が変化したもの、水車が力強くまわる音「ドン、ドン、ドン」は元気なリズム。 → 水車は流れを受けて動き、人の働きや信仰の歩みを連想させます。 節は「高い山から」の節 当時の人々になじみ深いメロディーで、教祖さまは歌を通して心に響くように伝えておられたのです。 → 信仰の教えは、難しい話ではなく、歌や生活の中から自然に伝わるものであるということを示しています。
【まとめ】
この歌は、自然の美しさや力強さをたとえにして、人々が元気に、素直に生きていくことの大切さを、教祖さまが優しく楽しく教えようとされたものです。月の光、小車、水車という身近な風景を通して、「いさみ心(元気な心)」「前向きな心」「素直な働き」を感じ取ることができます。
【大切な教え(ポイント)】
信仰は、身近な自然や暮らしの中にある 月や水車のように、私たちの心も素直に、自然に動くようでありたい。 楽しさとリズムのある信仰 教祖は「信仰は難しいものではない、楽しんで進むものだよ」と、歌にのせて伝えておられた。 元気で前向きな生き方をすすめる 小車を押すように、元気に前を向いていく姿こそ、神様に喜ばれる生き方。 心に響く伝え方を大切に 難しい言葉ではなく、歌や節にのせて教えることで、誰の心にも届くように工夫された教え。