稿本天理教教祖伝 逸話編 【十一 神が引き寄せた】をAIで子供向けに説明


それは、文久四年正月なかば頃、山中忠七三十八才の時であった。忠七の妻そのは、二年越しの痔の病が悪化して危篤の状態となり、既に数日間、流動物さえ喉を通らず、医者が二人まで、「見込みなし。」と、匙を投げてしまった。この時、芝村の清兵衞からにをいがかかった。そこで、忠七は、早速お屋敷へ帰らせて頂いて、教祖にお目通りさせて頂いたところ、お言葉があった。

「おまえは、神に深きいんねんあるを以て、神が引き寄せたのである程に。病気は案じる事は要らん。直ぐ救けてやる程に。その代わり、おまえは、神の御用を聞かんならんで。」と。

このお話は、山中忠七(やまなか ちゅうしち)さんが、信仰のご縁によって救われ、神様にお仕えするようになる信仰のはじまりの場面です。

【言葉の意味とやさしい説明】

文久四年(ぶんきゅうよねん):今から160年以上前、1864年ごろ。 忠七(ちゅうしち)さん:この話の主人公で、38歳のときのお話。 そのさん:忠七さんの奥さん。重い病気(じ=痔)で命が危ない状態だった。 流動物(りゅうどうぶつ):水のような食べ物やスープなど。これさえ飲めなくなっていた。 医者が匙(さじ)を投げる:お医者さんが「もう治せない」とあきらめること。 にをいがかかる:「天理教の信心をしている人の良い行いや評判を聞いて、関心を持つ」こと。 お屋敷(おやしき):天理教の教祖さまが住んでいたところ(ぢば)。 深きいんねん:「過去からの深いご縁」のこと。神様とのつながり。

【ひとつずつ説明する】

忠七さんの奥さん・そのさんが、重い病気で食べ物も飲めなくなってしまった。  お医者さん2人からも「もう助からない」と言われてしまいました。 そのとき、天理教の信心をしていた「芝村の清兵衛さん」から良い話(にをい)を聞いた。  忠七さんは「このままではいけない」と思い、教祖さまのいるお屋敷に急いで行きました。 教祖さまは「神様が引き寄せた」と言ってくださった。  「あなたには、神様と深いご縁がある。だから、心配しなくていいよ。すぐ助けてあげる」と言われました。 ただし、「助ける代わりに、あなたは神様のお手伝いをしなければいけないよ」と言われた。  これは、「信仰の道に入る覚悟をもちなさい」という意味です。

【ぜんぶまとめると】

忠七さんの奥さんは、とても重い病気で、食べ物も飲めず、お医者さんも助けられないと言うほどでした。

そんなとき、天理教の信心をしている人のすすめで、忠七さんは教祖さまのところへ行きました。

すると、教祖さまは「神様とのご縁があるから引き寄せられたんだよ。すぐに病気はよくなるよ。」と言ってくれました。

でも同時に、「これからは、神様のおてつだい(ご用)をするんだよ」とも言われました。

忠七さんは、この言葉を受けて、神様の道をまっすぐ歩みはじめたのです。

【たいせつな教え(ポイント)】

どんなに苦しいときでも、神様はご縁ある人を引き寄せてくださる 病気や苦しみを通して、神様の導きが始まることがある 神様に救ってもらったら、その恩返しとして神様のお手伝いをする(ご用をする)ことが大切

このお話は、**「助けてあげるよ、でもその代わり、あなたも神様のために働いてね」**という、信仰と行動の大切さを教えてくれる一話です。