文久三年七月の中頃、辻忠作の長男由松は、当年四才であったが、顔が青くなり、もう難しいという程になったので、忠作の母おりうが背負うて参拝したところ、教祖は、
「親と代わりて来い。」
と、仰せられた。それで、妻ますが、背負うて参拝したところ、
「ふた親の心次第に救けてやろう。」
と、お諭し頂き、四、五日程で、すっきりお救け頂いた。
このお話も、天理教の信仰がどのようにして人々を救ったかを伝えるエピソードです。
【やさしい現代語訳】
文久三年(1863年)の7月ごろのことです。
辻忠作(つじちゅうさく)さんの長男、由松(よしまつ)くんは4才でしたが、顔が青くなって、とても重い病気になってしまいました。
「もうダメかもしれない」と思ったおばあさんのおりうさんが、由松くんを背中におんぶして教祖さまのところにおまいりしました。
すると、教祖さまは、
「親が代わって来なさい。」
とおっしゃいました。
それで、今度は**お母さんの「ますさん」**が、由松くんを背負っておまいりに来ました。
そのとき、教祖さまはこう言いました。
「お父さんとお母さんの心がけ次第で、助けてあげよう。」
すると、4〜5日で、由松くんはすっかり元気になりました。
【たいせつな教え(ポイント)】
**親の心の持ち方(信仰の姿勢)**が、子どもの病気にも影響する。 神様は、家族全体の心を見ておられる。 信仰の力と親の真心が合わさることで、奇跡のような救いがある。
【ポイントまとめ】
病気の子どもを、まずおばあちゃんが神さまにおまいりに行ったけど、
神さまは「ほんとうの親が来てね」と言いました。
それで、お母さんが来たら、「お父さんとお母さんの気持ちしだいで、たすけてあげるよ」と言ってくれて、
すぐに病気が治ったというお話です。